海外で日本語を教えています

日本語教師です。ネイティブスピーカーとしてだけでなく、色んな角度から日本語を見ていきたいと思っています。

日仏の新卒の就職活動…どっちがいいの?

私はほんの短い間だけ、日本で新卒の就職活動をしたことがある。エントリーシートを書くのは苦にならずむしろ得意な方だったので、提出した数社から面接の機会をもらえた。

(正直、私はその会社に就職したいとそこまで真剣に思っていなかった。まあ引っかかればいいやと思っていたくらいである。そんな様子だったので面接が通る訳もなく、「しょうがないか」とすぐに吹っ切ることができたのだけど。)

面接を受けてみて思ったのは、日本の就活の面接ってやたら精神論を語らせるよな、ということである。「私は努力する人間です」とか「私は最後まであきらめません」とか、自分自身を美辞麗句で飾り立てなければいけない風潮がある。(アルバイトや部活での自分の頑張りをアピールする人も多い。)

当時は、自分の人間性を自画自賛するのは何だか気持ち悪いなと違和感を抱いたものだけど、日本の新卒採用のシステムが「新人を育てる」ものだから仕方ないのだと今は思っている。即戦力を求めている訳ではなく、一緒に仕事をしていく中でレベルアップしていくことが新人に求められるから、育て甲斐のありそうな見どころある人間を採りたがるのは当然なのだ。

対してフランスでは、即戦力になる人材が求められるから、そこまで精神論にこだわらない。せいぜい、「まじめに働きます」「この仕事に情熱を持っています」くらいのものだ。アルバイトや学業の頑張りを面接でアピールするなんてことはまずないようである。そしてそもそも、「新卒枠」そのものがない(さらに、日本のように配属先は入社後のお楽しみ…ではなく、志願者ははなからポストを決めて応募するのだ)。

重視されるのは資格と経験のみといってもいい(まあある程度、人間性も判断材料になるだろうけど)。だから新人にはかなり不利なのだ。また、専門学校や一部のエリート学校(グランゼコール)卒業なら手に職なり名誉なりあるのでそれほど就職に苦労しないけれど、普通の文系の大学卒などは苦労しそうだと思う。

 

日本人は「海外に比べて日本はダメだよね」という論調になりがちだけど、新卒の就職活動について言えば、必ずしも日本のシステムがフランスより悪い訳ではないのかもしれない。