海外で日本語を教えています

日本語教師です。ネイティブスピーカーとしてだけでなく、色んな角度から日本語を見ていきたいと思っています。

語学はネイティブ・スピーカーに学べ!あと、フランス語にだって「おっぱい」はある!

仕事で必要なので日本語の教科書を手に取る機会が多いけれど、フランス人が作った教科書は「あれっ?」という表現が載っていることも多い。

例えば私の手元にあるものだと…

「お手洗いを拝借できますか」というのを見つけた。

まあ間違いじゃないけど、今日日あんまり聞かない言い方のような気も…。「拝借」って、飲み会の後の一本締めの「お手を拝借」くらいでしかリアルで聞いたことがない。あとはマンガとかで「ちょっと拝借するぜ」とか言って人の物を勝手に借りるときとか。同じ謙譲語なら、「お借りできますか」の方が自然だと思う。

とはいえ、ネイティブ・スピーカーでない限り、その国の言葉のニュアンスや一般的に使われる表現を完璧に把握することはかなり困難なのかも、とも思う。

例えば日本人が作った英語の本なんかも、ネイティブからしたら「こんな言い方しないよ」というケースが少なくないらしい。だから、本当に活きた英語を勉強したければ本場の教科書を使うといいのです。

それに外国人の場合は、ある言語のアカデミックな表現や丁寧な言い方しか学ばないことが多いから、俗語をほぼ知らなかったりする。

作詞家のなかにし礼さんは立教大学の仏文科でフランス語を学んだそうだけど、「おっぱい」という表現にあたるフランス語はpoitrine(日本語で言うと胸。やや硬い言葉)、sein(乳房)くらいしかないといったようなことを『愛人学』というエッセイで語っていた。

でもところがどっこい、フランス語にだって「おっぱい」くらいはある。フランス人だって、女性の膨らみに可愛い名前を付けているんですよ、なかにし先生。nichon(ニション)という言葉がそうだ(ちなみに英語ではboobs)。ちょっとポップな感じの響きが、「おっぱい」のニュアンスに近いんでないでしょうか。「シニョン」みたいで女の子っぽいと個人的に思います。

話がそれましたが…

まあ初級レベルくらいなら、正直日本人の先生やメイドインジャパンの教科書でも問題無いとも思うけれど、語学習得はやっぱり本場に限るのかもしれませんね。俗語をいくら覚えても試験には出ないでしょうが、ネイティブスピーカーに混じってキャッキャ騒ぐのは楽しいし、これこそ活きたお勉強だと思うのです。