海外で日本語を教えています

日本語教師です。ネイティブスピーカーとしてだけでなく、色んな角度から日本語を見ていきたいと思っています。

なぜ「フランス」なのか。

今回は日本語教育にあまり関係ない話だけど・・・

私は学生時代、フランス語及びフランス文学を専攻していた。だから留学も英語圏やアジアではなくフランスを選んだのだ。ではなぜ、そもそもフランス語や仏文学を専攻しようと思ったのかといえば、高校時代フランス文学に触れて、いたく感銘を受けたからだ。

高校生の頃、私が綴った読書感想ノートを見ていたら、フランス文学の多さにちょっとびっくりした(結婚する時、実家から送ったのです)。モーパッサンやジイド、コレット、サガン、ボリス・ヴィアンなど新潮文庫や岩波文庫で読めるフランス文学は網羅してるんじゃないかってくらい(でもフランス文学に興味がある人は一人の友人を除いてほぼゼロだったので、「早く大学に入って文学を語り合いたい!」と胸を膨らませていたものだ)。そんな訳で「フランス文学を読んでる自分、かっけえ!」と少し自分に酔っている節もあったので、当時はそこそこ生意気だったと思う。

大学に入ってからは「どうして仏文を選んだの?」と周囲に聞かれることもよくあった。バイト先の人に聞かれたとき、「友達に勧められて高校時代に読んだ、フランス文学の本がよかったので」と答えたら「友達に勧められたのがフランスの本じゃなければ、違う学部を選んでいたんじゃないの?」と言われたけど、そうじゃないのだ。私とフランス文学の出会いは必然だったと思うし、フランスだからこそ私は心惹かれたのだ。

文章から伝わってくる乾いたパリの街の空気を、私はずっと求めていた。ユトリロが描くような少しうら寂しいモンマルトルの街角に立つことを、私は思い描いていた。コレットが紡ぎ出す気怠く気まぐれな女たちの心に、触れたいと思っていた。自分を偽らず恋愛を謳歌しバカンスを楽しむフランス人の価値観を、素敵だと思っていた。

実際にフランスで暮らしてみて、いいところばかりじゃないそのままのフランスも見えてきた。でも、私はなんだかんだでフランスを愛している。

パリは意外と街が汚かったり、貧しい人が多かったり、騒がしかったりと難点は多いけれど、それでもやっぱりパリは素晴らしい場所なのだ。

ちなみに、「ポンヌフの恋人」という映画はパリの光と闇が描かれているので、パリへ旅行する前に観ておくことをおすすめします。これを観たおかげで、パリの美しいだけのイメージが打ち壊されたのでショックを受けずに済みました(笑)