海外で日本語を教えています

日本語教師です。ネイティブスピーカーとしてだけでなく、色んな角度から日本語を見ていきたいと思っています。

桜の花を通して見えてくる日本文化

日本ではそろそろ桜の季節ですよね。私もご多分に漏れず桜の花が大好きなので、日本にいる人が羨ましいです。

世の中のたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(伊勢物語)」という有名な和歌が示すように、本当に日本人は桜が好きですよね。フランス人の友達が京都の仁和寺に来た時、そこにいたすべての日本人が桜にカメラを向けている光景を見て、びっくりしていました。「桜の花が嫌いな日本人っていないんじゃないの?」と聞かれたときは、確かに老若男女問わず「桜はどうも好かん」という人は周りに誰もいないなあと思ったものです。

どうして日本人はこれほど桜が好きなのでしょう。

私が思うに、桜はとても儚いものだからなんじゃないでしょうか。一年中いつでも桜が咲いていたら、あるいは一か月以上しぶとく咲くような花だったら、きっと日本人は桜をそこまで愛でないんじゃないかなあ。

諸行無常、常に物事は一つところにとどまらない。わっと華やかに咲き誇る桜も、やがて散ってしまう。そういう仏教的な思想が、どうも日本人の美的感覚に訴えるのではないかと思います。

ちるさくら海あをければ海へちる(高屋窓秋)」

散りゆく姿にさえ美を感じるという感性は、なかなか素敵ですね。いつか一軒家に住むことができれば、庭にソメイヨシノを植えて花を堪能したいものです。

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仁和寺の桜です。写真はのどかに見えるけれど、実は人でごった返していました^^;