海外で日本語を教えています

日本語教師です。ネイティブスピーカーとしてだけでなく、色んな角度から日本語を見ていきたいと思っています。

今の時代、日本語教師はもう必要ない?!

最近、日本語教育に関して色々情報を収集しているのだけど、日本語教師の役割は私が思っていたものと違うのかもしれない、とふと思った。

今までは、日本語教師が主体となって学習者を引っ張っていくというイメージだったけど、学習者が主体となって勉強を進めていく方が効果的なんじゃないかと思うようになった。

冒険家メソッド」という、一切教師に頼らない自律学習方法で学んだ人が短時間で成果を上げているようだし、必ずしも「教師が一緒なら効果的に学べる」とは限らないのかもしれない。

そうなると、日本語教師を続ける意義があるんだろうかと自問自答してしまう。今の時代、ネットの情報にアクセスできればたいていのことは一人で学べてしまう。そんな時代に、日本語教師の未来はあるのだろうか。

とまあ、色々と考えたけど、自分に合った学習スタイルや学びたい方法はそれぞれなので、日本語教師にもまだまだ需要はあるはずだ。

いくらでもネットに情報があるとはいえ、求めている情報を見つけられなかったり、信頼できる情報が選択できなかったりする場合もある。そんなとき、水先案内人のような存在がいれば心強い。

それに、教師と一緒なら一人きりで学ぶよりもモチベーションが上がりやすい。

また、何かを学ぶことを通じて人との接点を作りたいという人もいる(特にシニア世代に多い)。

そんなわけで、今私を必要としてくれている生徒さんが少しでもいるのだから、あまり悲観せず少しでも彼らの日本語力アップに協力したいと思っている。

まあ、常に危機感を持つことは大切だとも思うけれど。

クライアント Come on!個人事業主のマーケティングを考える。

最近、フランスで個人事業主デビューした。こちらではMicro-entrepreneurという。URSAAFという機関のサイトで必要事項を記入してサラッと登録できた。

個人でやろうと思ったのは、「勤め先の待遇があまり良くなかった・職場が家から遠かった・他人と働くのが嫌になった」という理由からだ。クライアントにたっかいお金払わせるのに我々が受け取るのは雀の涙ほどの金額だし、同僚も仕事が杜撰で約束をすっぽかされたり日時を間違えられたりすることも日常茶飯事だった。まあ、ほぼ経験なしの自分を雇ってくれたことに恩は感じているけど。

とまあ、愚痴はこの辺にして(^^;

個人で仕事するようになって数か月経つ。お金の管理は自分でやらないといけないけど、他人と働かなくていいのでめちゃくちゃストレスフリーだ(^^)少しずつではあるけどクライアントさんも増えているのでまあ順調と言えるだろう。

クライアントさんの増やし方、つまりマーケティングに関してネットや本などで色々勉強した。マーケティングに関してはド素人だったけど、マーケティングって楽しいなと気が付いた。ネットの時代、個人も企業も基本は変わらないところも面白い。

私は特に、コンテンツマーケティングに興味を持った。コンテンツマーケティングは、ブログなどメディアを運営して、そこに興味を持ってくれた人を引き込んでクライアントにしていくマーケティング法。

コンテンツマーケティングを理解するのに、『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』という本がおすすめ。ウェブマーケティングのセミナーもいくつか受けたけど、この本にほとんど同じことが書いてあって、最初からこれ一冊で良かったじゃん!と思った。紙の本だと2000円近くするので、Kindle Unlimitedがお得です。

以下、コンテンツマーケティングを仕掛けていく上で重要な考え方が示された一文を引用。

「顧客はあなたのことも、あなたの製品やサービスのことも気にかけていない。彼らが気にするのは自分自身のこと、彼ら自身の欲求やニーズだけだ。コンテンツマーケティングとは、顧客が本当に関心を払うようになる、彼らを夢中にする興味深い情報をつくり出すことだ。」ジョー・ピュリッジ

 

コンテンツマーケティングはすぐに成果が出るわけじゃないけど、コツコツ地道に続けていればコンテンツという資産が貯まり、長期に渡って利益を上げることができるそう。

本で知識を溜め込んだら、あとは実践あるのみ。面倒くさくてなかなか仕事用のブログ更新してなかったけど、クライアントを引き込めるような魅力的な記事を書いて事業を軌道に乗せて行こうと思った次第です。

 

 

『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』って思ったことない?【Kindle本】

Kindle Unlimidedに登録したので、最近はよく電子書籍を読んでいる。

日本語教育関係の本も読んで勉強しようと思い色々探していたところ、『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか: あなたに役立つ「ことば習得」のコツ』という本を見つけた。

今まで外国人力士の日本語学習に関して特に何も考えたことはないけど、言われてみれば確かにそうだよねと思い、すぐにダウンロード。

本書によると、外国人力士の日本語のうまさには色々な理由が絡んでいるそうだ。簡単にまとめると、

  1.  日本語を学ばないと生きていけない環境に置かれるから(間違った日本語を使うとボコボコにされることもある!)
  2.  24時間、日本語漬けの環境だから
  3.  親方・兄弟子・おかみさん・髪結いさん・地域の人・後援会の人など色々な日本人と接する機会があるから
  4.  日本の国技である相撲の世界に身をおくなら、伝統文化を理解する必要があるから
  5.  常に世間から注目されるから

1は本当に本に書いてあった。ちょっと前に相撲界の暴力事件が話題になったけど、先輩力士が後輩に暴力を使ってたしなめるなんてことは昔からあったようで…(この本の刊行は2001年)。先輩に対して、外国人力士が失礼な言葉遣いをしてキレられたのだとか。「失礼だとは知らなかった」じゃ許されない世界なんですよね。

語学教育の分野では「イマージョン(目標とする言語にどっぷり漬かる教育法)」という言葉が知られているけど、外国人力士もまさに日本語にどっぷり漬かっている環境なのだ。一日の大半を過ごす稽古場ではもちろん日本語が飛び交うし、その他の時間もおしゃべりやカラオケ、テレビなどずっと日本語に触れている。相撲部屋の女将さんや床山(力士の髪を結う人)さんなど、何度も忍耐強く教えてくれる人もそばにいてくれるから、上達が早くなる。また、「相撲で強くなる!」という確固とした目標があるから、相撲を頑張っているうちに自然と日本語力も上がるみたい。

プロ野球の助っ人外国人と比べられていたけど、彼らは日本の球団側が「来ていただいている」というスタンスでお客様扱いだから、日本語を話すよう押し付けないし、通訳もつけてあげている。それに、来日してから修行に励む外国人力士と違って、助っ人外国人は既に完成された一流選手として来日する。この辺の扱いの違いも影響しているようだ。なかなか興味深い。

他に、はっとさせられたのは「教師は、学習者の自律的な学習を促すべき」という箇所。私は結構、生徒さんに何でもお膳立てしてあげちゃうタイプなんだけど、それじゃダメらしい。自分から進んでどんどん学ぶのが理想なんだとか。生徒の自立を促すことこそが教師の仕事で、生徒はいつか巣立っていくものなのだ。

さらに、外国人力士が色々な日本人に囲まれていたように、語学の先生だけでなく教室外でも目標言語話者との関係を築くべきだと説いていた。メル友をつくったり、交流パーティーに行ったり、街で困っている外国人観光客に話しかけてみたりと、とにかく外国語を話す状況を自ら作り出すこと。

 

こんな感じで、この本は日本語だけでなく語学教師全般にもおすすめだし、外国語を勉強している人にも役立つヒントがたくさんあると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

海外で初めて面接官をやってみた感想 

先日、日本語教師のポストを希望する人の面接を行った。まあ、面接は全部一人で受け持ったわけではなく、私は主にその人の日本語能力を審査する係だったのだけど(志願者は日本語の非ネイティブスピーカーだったので)。

数年前には面接される立場だったのに、今は逆の立場になったんだなあ、とちょっとしみじみ。

初めて人を審査する側に回ってみて、見えてきたこともたくさんあった。

以下、気になったこと・私が見ていたポイントなどを書いていきます。面接を控えている人は、もしかしたら参考になるかもしれません。

 

【書類編】

・書類の見直しは大切!

ある人はうちの住所を間違えていた(こっちの履歴書には応募先の住所も書く)。志望者が少なかったからそれだけで足切りはしなかったけど、注意力がないのかな?と思ってしまった。

→意外とミスしていることもあるので、しつこいくらい見直しをしましょう。

 

・CVには具体的な情報も載せよう。

日本の履歴書の場合は今まで在籍していた学校名・会社名は必須だけど、こっちでは特に学校名・会社名を書いてない人もいる。でも、募集しているポストに関係のある学歴や職歴の場合、具体的な情報があった方が判断材料が増えるので、書いてくれる方がずっとありがたい)

→ 情報の少ないスカスカのCVはNGです。

 

・求められた書類は全部提出しよう。

まあ、当たり前ですが・・・。できていない人もいたので。

 

【面接編】

・堂々と答えよう

声が小さい、おどおどしているなど自信のなさが表れてしまっているのは印象が良くない。自信を持って発言できる内容をある程度考えておくといいかも。

 

・やる気アピールは大切!

採用基準に達していない場合でも、めちゃくちゃやる気があるような印象を受けると、こちらも心が揺れ動く。とにかくこの仕事が好き!どうしてもこれをやりたい!と、モチベーションの高さを見せるのはとても大切。

 

・言われたことには素直に従おう

今回は10分だけ模擬授業を行ってもらうことにしたのだけど、「日本人の前でやるのはちょっと・・・」と言われてしまった。・・・っておい(笑)ネイティブスピーカーの前でその人の母語の授業をするのは嫌かもしれないけど、日本の日本語学校では普通に日本人同士でやってることだし。「採用されたいなら素直に模擬授業やってほしいなあ」と思った('◇')ゞ

 

・質問をしよう

人は他人の反応を欲しがるもの。自分の説明したことに対して色々質問してくれると、「ちゃんと話を聞いてくれたんだな」と安心する。少しでも疑問に思ったことは積極的に聞こう。でも、何か質問しようと考えるあまり、話をいい加減に聞かないようにすべき。さっき説明したことなのにもう一度質問されると、「話聞いてた?」となる。一番大切なのは、ちゃんと話を聞くこと。

 

以上です。

面接をされる方も大変だけど、する方も色々考えなきゃいけなくて大変だなと思った。でも、個人的には面接、結構好きかもしれない。

 

 

 

 

生徒さんに言われて、とても嬉しかったこと。

生徒さんに「あなたはとても良い先生です」と言ってもらえて、素直にとても嬉しかった。普段は生徒を評価する側で、私自身は良くも悪くも評価されないから、反応があるとありがたい。特に良い反応なら尚更。

マジで嬉しすぎて、ニヤニヤが止まらなかった(*'ω'*) ここ最近で一番テンション上がったかもしれない。

「内容も面白いし、日本に旅行した時習った表現が役に立った」とのこと。

彼女は通訳になるのが夢で日本語以外にも高校で色々な言語を習っているらしいけれど、ある言語のネイティブの先生が酷いと言っていた。

頭が固いくそ真面目な先生で授業はつまらないし、その国へ行った時に習ったことがほとんど活かせなかったとのこと。最初はたくさんいた受講者も、どんどん減ってしまったらしい。彼女も続けるのを断念したと言っていた。

それって、めちゃくちゃ残念なことだ。教師の役目は生徒のやる気を引き出し伸ばしてあげることなのに、肝心の教師が生徒のやる気を削いでしまうなんて。それに、その国への印象まで悪くなってしまう。

この人を反面教師にして、そうならないようにしなきゃ。私自身も学生時代、堅苦しい授業が嫌いだったから時には余談や遊び的な要素も取り入れて、フレキシブルにやっていたのが功を奏したみたい。私はこの仕事が好きだから、楽しみながらやっていたのが生徒さんにも伝わったようだ。

日本語を好きになってもらって、新日家が増えてくれればいいなと思う。やっぱり、私の「地元」を好きになってくれる人が増えたら嬉しいし。

「教え子が通訳として日仏の架け橋として活躍する日も、そう遠くはないかもしれない」と思うと、いっそう仕事にやりがいを感じる。

雨上がりで洗われた清らかなパリの空気を味わいながら、軽い足取りで石畳を歩いた。

フランスでの歴史の授業に驚く。

夫や日本語の生徒さんたちに聞いて驚いたのだが、フランスでは学校でヨーロッパ以外の歴史は勉強しないらしい(それと、せいぜいアメリカ史どまり)。

日本では義務教育課程の中学でさらっと世界史やるし、高校ではもっと突っ込んで勉強したので、この話を聞いて驚いた。

だから、日本の歴史というと20世紀の2度の戦争(とりわけ第二次)くらいでしか扱わないらしい。連合国のフランスからしてみたら、日独伊は完全にヒールやん!

天皇家の歴史が超絶長いことや、千年前に女性が名作を書いていたこと、日本でクリスチャンが弾圧されていたこと、天下を分けた関ヶ原の戦い、江戸時代の識字率の高さなんかを普通は知らないのだ(インテリ階級は知ってる人もいるけど)。

こちとら、ジャンヌダルクとかカトリーヌ・ド・メディシスとかルイ・フィリップとかナポレオンとか、フランスの歴史上の人物について習ったのに。

日本どころかアジア・中東・アフリカ・南アメリカの歴史も学ばないらしい。まあ、ヨーロッパ人はその辺で結構えぐいことしてるから、後ろめたい気持ちもあるのかもしれないけど・・・。友情!努力!勝利!みたいな、少年ジャンプのマンガのような輝かしい歴史しか学ばないのかもしれない。

私が夫に「歴史はいつも、勝った側のことしか語られないよね」とこぼしたら、はっとしていた。彼は今まで、そんな視点で歴史について考えたことがなかったらしい。

これからの時代、学校でヨーロッパ史しか教えないのは何か違うよなあと思う。特にフランスには色々なバックグラウンドを持っている移民が多いので、その人たちを理解するためにも世界の歴史を学んだ方がいいんじゃないかな、と思う。

まあ、単に私が歴史好きだから、いろんな国や地域の歴史に触れる面白さを味わってほしいというのもあるけど。

 

春を待つ桜のように学ぼう。

先日、生徒さんの親御さんと話す機会があった。彼女たちは、家族で夏休みに日本へ行ったとのこと。でも、思ったほど娘さんが日本語できなくてガッカリしたと言われてしまった(;'∀')

週に1回のレッスンを一年間続けただけじゃ、流暢には話せないのが普通なんだよ~

フランス語に似ているイタリア語やスペイン語ならわかるけど、日本語は全然違う言語なんだよ~

挨拶とか「コーヒー二つお願いします」とか、せいぜい簡単なやりとりができるようになるくらいだよ~

と、つい心の中でぼやいてしまう。

(とはいえ、同じ境遇の生徒でも、もっとできるようになる人もいなくはないけど…)

その生徒さんはあまり語学が得意なタイプではないようで、一年目にしてようやく平仮名と片仮名の読み書きができるようになった(ちなみに、中には何年続けていても平仮名・片仮名のできない人もいる)。でも、彼女はとにかく語学は好きみたいだから、今後伸びていくと思う。「好き」っていう気持ちはとても大切だ。

語学に限らず何でもそうだけど、やればやるだけ、右肩上がりで身に付くわけではない。伸びたり落ちたりしながら、紆余曲折を経て身に付くものらしい。だから、たまたま落ちている時期に「やってもやっても伸びない!」と絶望してやめてしまう人もいるようだ。

それで、何が言いたいかというと「焦らずゆっくり見守ってください」ということだ。春に咲かせる花を準備している冬の桜のように、じっと辛抱強く続けていればいつか花を咲かせて実を結ぶから。

すぐに効果を上げることができなくて申し訳ないけれど、そういうものだというのを理解してほしいな~と思ったのでした。